時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
第二章:迷子
──痛い………
俺は、全身に鈍く伝わる痛みで目が覚めた。
まるで自分の体に見えない何かがのしかかっているような、そんな異様な圧迫感が体中を包み、俺は思わず小さく息を吐いた。
「……あ、」
俺の隣では、夜統が同じように倒れており、気を失っているのか、微動だにしなかった。
俺は取り敢えず辺りを見回してみた。
目の前に見えるのは巨大な木々。
一面が緑で、自分達が倒れている地面も、短い緑の草が生え、所々に小さな花が咲いている。
おかしい。
俺たちは屋上から落下したはずだ。
それならば、普通は無残なひしゃげた死体となって、今頃学校を騒がせているはず。
それなのに、周りに見えるのは豊かな緑ばかりで、外に居たら嫌でも聞こえた喧騒が無い。
「どういう……事だ?」
俺はただ、口から無意識に言葉を紡いだ。
「うっ………」
その時、隣で伸びていた夜統が呻きながら目を覚ました。
ゆっくりと睫毛が震え、ぼんやりとした瞳が現われる。
「幸村……?」
「大丈夫? って、此処がコンクリートじゃない時点でおかしいんだけどさ…」
俺は彼の呼び掛けに答えながら苦笑した。