時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
その時、一瞬だが教室が騒ついた。
思わず扉付近を見ると、誰かがホームルームを待たずに無断で早退したようだった。
「また夜統か…」
愛澤は困ったように呟いた。
あぁ、成る程…
流石にテストは休めないから、今日は登校したらしいな。
夜統和(ヤスベリ ナオ)。
出席番号16番。
一年生にして、本校最強の不良として色んな奴らに目を付けられている。
この前は先輩に囲まれていたが、どうやら返り討ちにしたらしく、先輩の方が重傷だった。
「学校もろくに来てねェくせに、テストなんて出来るんだべかな?」
「受けねェよりはマシだべ?受けなかったら0点だしさ」
俺の疑問に、愛澤は答えてくれた。
成る程。それもそうだ。
が、授業もまともに受けていない奴がテストを受けても、大した足しには成りはしないだろう、そう思った。
「何しに学校来てんだかな、アイツ」
俺は誰にともなく呟いた。
取り敢えず、テストの全日程が終了したので、帰って寝ることにした。