時空戦争─我等世界ノ救世主!?─



談議室のかなり良い感じの革張りのソファーに腰掛けさせてもらったうえに、なんか良い匂いがする良い感じの紅茶まで出してもらって、少し気が引けた。


「さぁ、詳しく聞かせてもらおうかしら。なぜ貴方達が、禁域であるあの森に居たのか…」


優雅な動作で紅茶を飲みながら、アズサは尋ねてきた。

俺は隣の夜統を一瞥した。

彼は、もしかしたらこの世界についての情報が引き出せるかもしれないから、と頷いてくれた。


「…俺達、学校の屋上から落ちちゃって。頭から落ちたから、死んだのかな、と思ったんだけど、生きてたみたいで。目を覚ましたときにはあの森の中心に居て、道も判らなくて適当に歩いてたら、ここに来たんだ」


助かったと思ったらいきなりお縄にかけられてビックリしたけど、と付け足して苦笑すると、アズサは小さく謝罪した。


「俺達の居た世界に、アンタと全く同じ人が居たんだ。名前は音梨梓。成績優秀で、学級委員だったんだけど…」


俺が言い淀むと、アズサは何やら真剣な顔つきになった。


「貴方達があの森の中心に居た経緯は判ったわ。でも、私は貴方が言う“音梨梓”とは別人よ」

「え?」


ますます訳が分からない。






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