時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
何なんだこの二人。
一瞬にして険悪なムードになる。
しかし、彼女は話を続けた。
「ドッペルゲンガーというのを都市伝説や怪談で聞いたことがあるでしょ? それは、時空の穴から誤って違う“世界”に迷い込んだ人を、偶然その“世界”の人が見たりすることが殆どなの。
違う“世界”に生きる二人が誤って出会うことが、やがて都市伝説や怪談に発展したのよ」
「……その話を聞く限りだと、俺等もこの世界に居るのか?」
夜統は嫌そうに尋ねた。
それは俺も気になるところだ。
もしその話が本当なら、この世界の俺達に会ってしまうかも知れない。
しかし、彼女は首を横に振った。
「それは無いわ」
「は!? 何で!?」
今度は俺が食い付いた。
横に居る夜統の視線が痛い。
「貴方たちはあの森に居た。あの森は、普通の人間には入ることの出来ない場所なの。つまり、それが何を意味するか──」
アズサは伏せていた瞳を俺達に向けた。
「貴方二人が、私達が捜し求めていた時空の鍵を手にする者──“クリアネス”であるという事よ」
……訳わかんねェェェェ!!