時空戦争─我等世界ノ救世主!?─



何なんだこの二人。

一瞬にして険悪なムードになる。

しかし、彼女は話を続けた。


「ドッペルゲンガーというのを都市伝説や怪談で聞いたことがあるでしょ? それは、時空の穴から誤って違う“世界”に迷い込んだ人を、偶然その“世界”の人が見たりすることが殆どなの。
違う“世界”に生きる二人が誤って出会うことが、やがて都市伝説や怪談に発展したのよ」

「……その話を聞く限りだと、俺等もこの世界に居るのか?」


夜統は嫌そうに尋ねた。

それは俺も気になるところだ。

もしその話が本当なら、この世界の俺達に会ってしまうかも知れない。

しかし、彼女は首を横に振った。


「それは無いわ」

「は!? 何で!?」


今度は俺が食い付いた。

横に居る夜統の視線が痛い。


「貴方たちはあの森に居た。あの森は、普通の人間には入ることの出来ない場所なの。つまり、それが何を意味するか──」


アズサは伏せていた瞳を俺達に向けた。


「貴方二人が、私達が捜し求めていた時空の鍵を手にする者──“クリアネス”であるという事よ」



……訳わかんねェェェェ!!






< 32 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop