時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
俺達が居た世界とは、違う。
そこまでは理解できた。
だが、さっきから新しい単語がたくさん出てきて、さすがの俺でも意味が判らなくなってきた。
「“クリアネス”は、時空を行き来できる唯一の存在。恐らく二人のうちのどちらかが“クリアネス”の力を持ってるわ。
“クリアネス”は何処の“世界”にも存在しない、“居るのに居ない”存在なの」
「居るのに居ない………?」
涼しい表情で説明するアズサに、俺達は首を傾げるばかり。
夜統が、そこで疑問をぶつけた。
「俺等のどちらかが“クリアネス”というのはどういう事だ? もしそれが本当なら、トリップ出来るのは一人だけだ。でも、現に俺等は二人でトリップしてる。
これはどう説明するんだ?」
おお、鋭い! 確かに、俺達は今二人でここに居る。
一人でトリップしなくて本当に良かった。
もしそうだったら、かなり不安で死んでしまうかもしれない。
「よく思い出してみて。二人がトリップしたときの状況。二人の体の一部が触れた状態で、トリップしなかった?」
「…………」
アズサの言葉に、俺達は顔を見合わせた。
シンキングタイムだ。