時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
そう言えば、俺が屋上から落ちそうになった時、咄嗟に夜統が俺の手を掴んだ。
あの時……?
「そう言えば…あの時、夜統俺の手掴んだよな?」
「ああ…」
「それだわ!」
アズサは身を乗り出す。
「一度に二人がトリップするなんて有り得ない事よ! やっぱりどちらかがクリアネスなのね!」
何でこんなに嬉しそうなのかは判らないが、アズサに手を思い切り握り込まれ、少し引いてしまった。
「これでレイゼアに対抗できる! 戦争を止められるわ!」
「どういう事だ?」
嬉しそうに、興奮した様子で叫ぶアズサに、夜統が冷静に尋ねる。
アズサは興奮が冷めないのか、かなり鼻息荒く言った。
「全時空を支配し、征服しようと企むレイゼアを、貴方達の力で倒すのよ!」
「はぁ!?」
レイゼアという言葉は、さっき縄で縛られた時にも、男の口から聞いていた。
時空を支配し、征服するというのは、どういう事なのだろうか。
「こうしちゃ居られないわ。このことがレイゼアの一味に知れたら、貴方達は命を狙われちゃう」
「マジかよ」
夜統は眉を寄せた。