時空戦争─我等世界ノ救世主!?─



「パパに報告して、盛大なもてなしをしなくちゃね!」


アズサは飛び跳ねながら部屋を出ていく。


「そうだ、ここにしばらく身を隠してもらうわ! ついてきて、部屋に案内するわ」

「あ……?」


興奮したアズサに手を引かれながら、俺達は部屋に案内された。

引きずられるように長い廊下を歩くと、金の装飾が施された木製のドアの前に立たされた。

ドアノブもキラキラと輝いていて、何だか素手で触るのは気が引けてしまう。

手袋か何かをはめないと、指紋が付いてしまう。


「さぁ、入って。この部屋の物は自由に使って良いわよ!」

「自由に…って…」


言われても………


目の前に広がるのは磨きぬかれた床、ふかふかのベッド……

窓から見えるのは、きれいに並んだ建物。町並み。


「お客様用にいつも掃除してるのよ。遠慮なんてしないで、自由に使って良いわよ」

「どーもどーも。じゃ、遠慮なく」

「ちょ、夜統!」


無遠慮な夜統に、俺は溜息を吐く。






< 35 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop