時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
夜統はそのままふかふかの真っ白なベッドに飛び込むと、「うわ、すげ」と小さく感嘆の声を漏らした。
柔らかいベッドは彼の体を深く沈め、低反発なのか、すぐに元の形に戻った。
「……随分冷静なんだね」
俺は思ったことを素直に口にした。
俺自身、実はかなり戸惑っていた。
訳のわからない世界に迷い込んだうえに、自分達が戦争を止めなければいけないだの、時空の鍵を持つ者だの。
知らないことばかりだし、信じられないことばかりだし、非現実的なことが一気に降り掛かってきて、俺の頭はパンクしそうだった。
無人島も楽園に変えられる適応力を持っている自信は有ったが、いざこう云った状況になってみると、自分はどうしようもなく無力だと知った。
夜統は苦笑した。
「それはねェな。俺も正直戸惑ってる。それに──…」
彼は言葉を切り、寝返りを打つように、ドアの前で情けなくつっ立ったままの俺の方を向いた。
「クリアネスの存在理由が気に入らねェ。隙を見つけて逃げてやろうかと思って」
「そんなこと、出来んの?」
俺は尋ねた。夜統は悪戯っぽく笑った。