時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
夜統は舌打ちしながらドアノブを掴む。
「っ…オイ! マジかよ…」
「どうやら、逃げられるっていうのは考えのうちに入ってたみたいだな……。どうしよ、これじゃあ首を縦に振るしかないんじゃない?」
「ふざけんなよ……。時空戦争なんて知るか、関係ねェよ、んなモン。はぁぁ、めんどくせェ……」
どうやら彼はかなりの面倒臭がりらしい。
溜息と共にズルズルと床に座り込んでしまった。
俺も、膝から下の力が一気に抜けてしまった。
逃げることは許されない。
しかも、巻き込まれようとしているのは、世界大戦なんてレベルじゃない。
時空を越えた、戦争───…
「仕方ないね、」
俺は口を開いた。
夜統が顔を上げ、不思議そうに俺を見上げた。
「二人で止めよう、戦争を。そんで、生きて元の世界に帰るんだ」
「幸村………」
俺だって、こんな面倒なことに巻き込まれて、嫌で嫌で仕方ないよ。
だけど。
「ここで蹲ってても、しょうがないしょや。俺達にしか出来ないなら、俺達がやるしかないべ」
…そう、思ったんだ。