時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
ベッドに寝かされ、顔を蒼白にして、浅い呼吸を繰り返している夜統の様子を見て、アズサは冷静に告げた。
「どうやら、能力を使うと著しく体力を消耗するみたいね。乱用は出来ないわ」
「…そうなのか……。じゃあ、もしまた大軍で攻めてこられたらどうすんだよ。また夜統に無茶させんのか」
俺が半ば攻めるような口調で尋ねると、アズサは表情を曇らせ、首を横に弱々しく振った。
「……わからないわ。ただ、彼の力が無ければ私達は壊滅して、間違いなくレイゼアの支配下に置かれていた」
「…………」
「私が反対しても、町のみんなや父は、きっと彼の力を使ってレイゼアを倒し、この戦争を終わらせるつもりで居ると思う。それほどに奴らは危険だし、ナオの力は頼みの綱なのよ」
淡々と告げるアズサには、その口調とは裏腹に苦悩が滲んでいた。
俺も、自分がどうするべきなのか、わからないで居た。