あまーいお時間
「‥」

何も言わない、彼。
余計に涙が出てくる。

終わってしまった。

私の恋。

こんなにも早く儚く
散ってしまった。

気持ちの伝え方は
知ってるけど
忘れ方は知らないよ。

下を向き、泣いている
私に彼が言ってきた。

「それ、ほんと?」

私は必死に縦に顔をふる。

「凜、ありがとう。
そんなに泣いちゃうほど
好きになってくれたんだ?
俺‥なんつーか‥
嬉しいよ?」

「ふえ‥?ッグズ」

「もうほんとかわいすぎ
それ以上泣くなー!」

どういうことなのか
さっぱりわからない。
そのせいで涙は止まった。

「ど‥ゆう‥こ‥と?」

「え、わかんねーの?!
あー‥えぇーっと‥
凜が好き‥かもな」

信じられない言葉。
好き‥。

こんなたった一言で
胸がきゅううっとなる。

激しく、どくんどくんと
脈が流れる。

「って、おーい。
話聞いてんのかー?」

「は、‥い。
悠希さん‥」

「ん?どした?」

抑えられない、この気持ち。
はっきりとあなたに
伝えたい。今すぐ‥。

「好きです、悠希さん‥」

「凜‥。俺も‥好き」


未夢、お母さん
お父さん‥。
私は今、とても
幸せです。
初めて気持ちが
届きました。
好きな人に想いを伝える
好きな人が私を想ってくれる
こんなにも嬉しいことが
この世にあるのでしょうか。
それほど私は幸せなのです。

‥―夜空はとても
綺麗な星がいっぱいで
星の絨毯ができていた。

そんな下で私は
今まで味わったことのない
幸せを噛み締めた。


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