恋の唄
「意味……わかんないよ」
ウソ。
本当は知ってる。
華原君は、少しずつ伝えてきてくれてたから。
だけど私は、今の状態のままで華原君の気持ちに応えてはいけない。
どんなに嬉しくても、それを望んでも……
華原君に一花さんがいる以上は、私は気持ちを伝えられないから。
伝えては、いけない。
「華原君ってば、いつも変な事ばっか──」
「気付いてんだろっ」
声を荒げた華原君に、私の肩がビクッと震える。
「華原君……何言って──」
「お前が好きだって言ってんだよ!」
花火の音で聞こえなければどんなに良かっただろう。
聞こえなければ、こんな張り裂けそうな気持ちを持たなかった。
涙を……
流すこともなかった。