恋の唄
夏休みも残すところあとわずか。
終業式から今日までに華原君と会える日は僅かしかなかったけれど、あの日、一花さんの話しを聞いた日から、私の心はそれなりに穏やかだった。
それでも、不安がないと言えば嘘になる。
あの日以来、華原君から一花さんの話しは全く出ない。
だから、どんな状況にいるのかは一切わかっていない状態だった。
一花さんも電話をくれた事はまだない。
私に出来ることは、何気ないメールのやり取りの中でさり気なく応援の言葉を入れるだけで。
それがテニスの試合の事であっても、私の中では一花さんの事を含め、華原君の全てを応援しているつもりでいた。
今日もメールが来てきっかけがあればそうするつもりでいる。
私は、いつの間にか華原君の名前が多くなった携帯のメール受信フォルダを開いた。
それは何気ない行動で、だけど心に潜む『会いたい』という想いの表れだったのかもしれない。
そして、その想いが届いたように……
華原君からの新規メールを受信した。
急いで開くとそこには驚くべき文章。