恋の唄


もっと、俺の名前を呼んで。

呼び続けて、俺の隣で笑ってろよ。


「結衣っ──」


こんなに苦しいなら、いっそ俺も一緒に死ねれば良かった。

そんなバカな考えが浮かんだ瞬間だった。


  ─ 華原君 ─


結衣の部屋にいた時と同じように結衣の声が聞こえた気がして、俺は俯いていた顔を上げた。

焦がれ過ぎた故の幻聴。
さっきと同じ。

けど、振り返った俺の視界には……


結衣の姿が、あった。



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