恋の唄


ああ、そうだ。
机の中も確認した方がいいよね。

そう思って、腰を曲げて中を覗いてみる。

すると、そこには一冊のノート。

私は手を入れてそれを取り出す。

表紙には英語でダイアリーと記されていた。


「……結衣の、日記?」


言葉にした刹那、持ち方が悪かったのか、日記が私の手から滑り落ちてしまう。

床に落ちた日記は窓から吹き込んだ風にあおられ、パラパラと捲れて。

私は拾い上げようとしゃがみ込んで手を伸ばした。


見る、つもりはなかったの。


けれど、その文字が私の目に飛び込んできて。


結衣の想いが、とてもとても綺麗で。


私は、親友の想い出と心と


恋を辿った──‥











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