恋の唄
「じゃあオススメのにして行こうか」
「おう」
操作をして、華原君の横に立つ。
「まずはネックレスメインだから結衣が前に行け」
「うん」
言われたとおり私が前に出ると華原君は後ろから私の肩に手を乗せて、私の頭上から顔を出した。
華原君の触れてる肩が、熱い。
心臓がうるさい。
カウントダウンが始まって、二人で笑顔を作る。
フレームが変われば私たちの位置も変わって、プリクラのガイダンスが『アップで撮るよ』と言うと、私たちの肩が触れ合う。
と、華原君が「結衣」と呼んだ。
「ん?」
華原君を見ると、彼にはさっきまでの笑顔はなくて……
「マジで、彼氏いねぇの?」
聞かれて、その真剣な表情と近さにドキドキしてしまう。