恋の唄


私がそんな事を考えている間にも真柴君は近寄ってくる。

そして、私の隣りに腰を下ろした。

そのまま何も言わずに購買で買ってきたであろうパンを袋から取り出す。


「今日はツナサンドと焼きそばパンにした」

「そ、そうなんだ。真柴君はいつもここで食べてるの?」


もしそうなら伊織ちゃんに教えてあげよう。


「晴れてる日は大体。ユウも一緒にな」


華原君も……
でも、今日はいないんだ。
それともこれから来るのかな?

期待に胸を膨らませる私に、真柴君は話を続ける。


「今日は野暮用で別行動だけど」


聞いた瞬間肩を落としてしまうと、真柴君がパンをかじりながら喉を鳴らして笑った。


「天音は分かりやすいな」

「えっ?」




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