恋の唄


そして今日、私と伊織ちゃんは華原君に教えてもらった大会が行われる会場に来ていた。

いくつものコートが並ぶ会場。

すでに試合を始めているコートもあって、応援する生徒達の姿が見えた。

時々、声援が飛び交うのが聞こえる。

伊織ちゃんは楽しそうにしながら、試合が行われているコートに寄り道。


「わー、凄いね」


時計を見ればまだうちの高校の試合までには時間があったから、私は伊織ちゃんについて同じ様に試合を眺めた。


「どことどこの試合だろ?」


私が口にすると伊織ちゃんが応援する生徒の姿を見て言った。


「あの制服ってJ高校じゃない?」

「そうなんだ。強いのかな?」


スコアを見れば分かるかななんて思って視線を泳がせた時だった。


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