恋の唄


「お前は俺を応援しに来たんじゃなかったのかよ」


良く知った声。
間違えるはずもない好きな人の声が聞こえて私は勢い良く振り返る。


「華原君!」


そこには、時々学校で見るユニフォーム姿の華原君が立っていた。

口をへの字にし、ジトッと私を見ている。


「い、今から行こうとしてたんだよ」

「その気配は全く感じられなかったけどな」


うぅっ。
こういう時、本当に華原君は意地悪になる。

私を困らせてからかうんだ。


「J高校にタイプの男でも見つけたとか?」


なおも苛めてくる華原君の言葉にそんなわけないと思ったけど、ふと思いつく。


いつも華原君にはやられっぱなしですぐに彼のペースに持ち込まれてしまう。

だからたまには私のペースに持っていってみたかった。




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