恋の唄
晴れ渡る空の下、人のざわつきが混ざって耳に入ってくる。
応援に駆けつけた子だろうか。
数名の女の子が私の横を通り過ぎた時……
「天音?」
聞き覚えのある声が背後から聞こえた。
振り向くと、そこには真柴君の姿が。
「真柴君……どうして?」
「それはこっちのセリフ。今日はユウの試合は見れないぜ」
ニッと口角を上げてからかうような笑みを向けてくる。
「ち、違うよっ」
否定して見せると、真柴君はクツクツと笑った。
「ユウがからかう気持ち、わからないでもないな」
言って、私に何かを手渡した。
固くてひんやりとした感触。
目で確かめると、サイダーが。