Chain〜切れない鎖〜
「ありがとう、一馬。
今も、昔も」

「え?」

「中学生の時も、助けてくれた」

「…知らねぇ」

一馬はそう言った。
でも、あたしは知ってるよ。
あいつらからあたしを守ってくれるのは、いつも一馬だっていうことを。




一馬に手を回したまま、上を見上げる。
あたしの瞳と一馬の澄んだ瞳がぶつかって、思わず照れた。

一馬のこの優しい眼差しはあたしの宝物。
あたしだけの、宝物。

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