Chain〜切れない鎖〜
「さぁ、俺は帰るわ。
月光に入るための猛特訓があるからね。
凡人の馴れ合いにはついていけない」

隼人が嘘か本当かも分からないことを言う。
あたしが返事に困っていると、

「じゃあな。童貞一馬」

なんて言って教室を飛び出して行った。
その勢いは、まるでロケットのようだった。

一馬が隼人を睨むのが分かったが、一馬の視線を振り切って隼人は姿を消した。




いつもせわしく動き回っている。
常に夢を抱いている。
そんな隼人は、本当に芸能界に合っているかもしれないと思った。

隼人なら、きっと日本一のミュージシャンになれるだろう。

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