Chain〜切れない鎖〜
「えっ、一馬さん!?」
大通りに差し掛かった時、また例の声が聞こえた。
今までよりもはっきり。
おまけに「さん」付けだ。
今度こそ疑いはなかった。
声の主を知りたかった。
勢いをつけて思いっきり振り返る。
あたしに釣られてとうとう一馬も後ろを見た。
やっぱり後ろには誰もいない。
でも、視界の隅で黄色いものを見た気がした。
「また幻聴かよ」
一馬があきれたように言う。
一馬には本当に聞こえていないのだろうか。
あんなに一語一句はっきり聞こえたのに。
もしかしたら、一馬に危機が迫っているのかもしれない。
一馬はそれを知っていて、敢えてあたしに悟らせないようにしている。
そんな不吉な考えが頭をよぎった。
大通りに差し掛かった時、また例の声が聞こえた。
今までよりもはっきり。
おまけに「さん」付けだ。
今度こそ疑いはなかった。
声の主を知りたかった。
勢いをつけて思いっきり振り返る。
あたしに釣られてとうとう一馬も後ろを見た。
やっぱり後ろには誰もいない。
でも、視界の隅で黄色いものを見た気がした。
「また幻聴かよ」
一馬があきれたように言う。
一馬には本当に聞こえていないのだろうか。
あんなに一語一句はっきり聞こえたのに。
もしかしたら、一馬に危機が迫っているのかもしれない。
一馬はそれを知っていて、敢えてあたしに悟らせないようにしている。
そんな不吉な考えが頭をよぎった。