Chain〜切れない鎖〜
「勝手にさせとけ」

一馬の声が聞こえ、びっくりして一馬の顔を見上げる。


「昔からあんな男だった」

一馬はそう無表情で言ったが、どことなく寂しそうだった。

あたしはそんな一馬の手をぎゅっと握ることしか出来なかった。






無理しなくてもいい。
そんな強がりいらない。
あたしはもっと一馬の気持ちを知りたい。

本当は辛いんでしょ。
泣きたいんでしょ。

あたしの前なら大丈夫。


一馬があたしを守ってくれたみたいに、あたしも一馬を守ってあげたいよ。

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