Chain〜切れない鎖〜
階段をゆっくり上り、気がつくと六階に来ていた。

今までの病棟とは少し違う。

入り口は頑丈なドアで塞がれ、鍵がかかっている。




一馬のお父さんはポケットから鍵の束を出し、ゆっくりと鍵穴に差し込んだ。
カシャッという冷たい音とともに、扉が開く。

とても悲しい響きだった。




「私は…手に追えない一馬を隔離した」

悲しそうに彼は呟き、病棟へと足を踏み入れる。



「ここは、精神科閉鎖病棟」

< 157 / 306 >

この作品をシェア

pagetop