Chain〜切れない鎖〜
いつものように、手を繋いで電車に乗る。
他愛もない話をしながら、家の近くの駅で降りる。



もうすぐだ。
もうすぐで一馬と別れなければならない。

あたしの両親を気遣ってくれる一馬は、あたしのお泊まりを許さないから。



せっかく会えたのに。
せっかく気持ちを確かめられたのに。

一馬を握る手に力が入った。


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