Chain〜切れない鎖〜
平和な毎日が続いていた。
代わり映えのしない日々。
でも、その一日一日が幸せだった。




そんな中でも、あたしが不安に思う日が一日あった。

一馬の誕生日だ。

あたしの大好きな一馬が産まれた大切な日。
この一日を大切にしたいと思った。


普通は美味しいディナーを食べて、豪華なプレゼントを渡すのかもしれない。

だが、あたしは普通の高校生。
お金なんてないし、育ちのいい一馬は引くかもしれない。
そんな恐怖心があった。


「プレゼント…んなもんいるか」

一馬はそう答えたが、何もあげない訳にはいかないような気がした。
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