Chain〜切れない鎖〜
不良たちはこんなピンク色のあたしに見向きもせず、ぽかんと口を開けて一馬を見ていた。
まるで予想もしない死刑を宣告されたかのようだった。



一馬は「文句あんのかよ」とでも言いたげに不良たちを睨む。

不良たちはさらに後退りした。




「ご…誤解です」

赤髪が必死に命乞いをする。
そんな赤髪を、害虫でも見るような目付きで睨む一馬。

首をすくめて縮こまる赤髪がこの上なく哀れだった。



「消えろ」

一馬は容赦なくそう言い放って赤髪を掴む右手を離す。
その瞬間赤髪はよたよたと地面に座り込む。

不良たちはそんな赤髪を心配そうに見ていた。

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