Chain〜切れない鎖〜
「…てめぇ」

低い声で一馬が呟いた。
明らかに声が震えていた。


「いいじゃん」

負けじと言い返す。


「散々遊んで来たんだから、もういいじゃん」

「マジで…殺す」

「あたしが死んだら悲しむの、一馬だよ?」


あたしの言葉に言い返すこともなく、よたよたと立ち上がる一馬。
強い一馬の情けない姿に、必死で笑いをこらえた。

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