Chain〜切れない鎖〜
はじまりの頃
溢れる熱気。
首筋を大粒の汗が伝う。
それをぬぐうように手を当てた時、視線が合った。
彼はステージの右に立ち、群青色のギターを奏でていた。
ふわっとした薄茶の髪。
芸能人かと思うほど整った顔。
すらっと伸びたモデルのような体つき。
あたしと釣り合うはずがない。
そんなこと分かっているのに目を離すことが出来なかった。
金縛りに遭ったように、身動き一つ取れず。