Chain〜切れない鎖〜
手をぎゅっと繋ぎ、ゆっくりと唇を重ねる。

柔らかい唇の感触とともに、ほんのり甘い味がした。


「一馬…好き…」


溢れる気持ちを必死で抑えようとした。
それなのに、好きがどんどん溢れていく。

好きすぎて我慢出来ない。
どうしようもない。


あたし、いつからこんなに一馬を好きになっていたのだろう。




唇を離した時、二人の間に隙間が出来た気がして、ぎゅっと一馬にくっついた。

静まり返った部屋の中、破裂しそうなくらい高鳴る鼓動とエアコンの音だけが響いていた。

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