Chain〜切れない鎖〜
真っ直ぐに一馬を見る。
一馬もあたしを見た。

大丈夫。
今の一馬が大好きだから、何だって我慢出来る。




「戻れって言われた」

「え?」


主語目的語なしの言葉に、思わず聞き返す。



誰から?
何に?
何のために?


疑問符が飛び散った。





一馬は困ったようにあたしを見た。
そして、教えてくれた。



「チームに戻れって」

「…チーム?」

「俺が昔いた…」






あたしが常識知らずでも、それくらいは知っている。
バイクに乗ってビュンビュン走ったり、喧嘩したりするあれだ。

一馬はグレてたし、あり得ないくらい強い。
だから、それくらい想定してた。

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