Chain〜切れない鎖〜
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「芽衣ちゃんだっけ?」

休み時間になった瞬間話しかけてきたのは、短髪黒髪の男の子だった。
制服を着崩し、左耳には数本のピアスをしている。
真面目なこの高校ではそうそういないタイプだ。

はっきり言って、派手な人は苦手。
目立ちたくないから、極力関わりたくない。
そう思って顔を背けたが、彼はマシンガントークを吹っ掛ける。



「いやぁ、この学校に芽衣ちゃんみたいな子がいるとは思わなかったよ」

…は?

「よく見たら、可愛いよね」

…よく見たらって。

「コイツと仲良しなの?珍しいね。
コイツ、男前の癖に、性格ひん曲がってる」

…知ってるわよ!

「そうそう。昨日危なかったね」

「は?」

思わず大声で叫んでいた。
何が危ないか分かんない。
どうやらこの男は頭をやられたみたいだ。
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