Chain〜切れない鎖〜
あたしはバカだ。
なんで気付かなかったんだろう。
いや、気付いていないフリをしていたんだ。

かっこいい一馬はモテるということを。





付き合う前は気にしていた。

でも、一馬が余りにもあたしだけを特別扱いするから、忘れていたんだね。




女の子たちの歓声を浴びる一馬を想像して、あたしの胸がズキンと痛んだ。

一馬はあたしだけのもの。
そんな気持ちが込み上げてきた。






これが嫉妬っていうんだ。
これが独占欲っていうんだ。






ずしりと思い気分の中、歓声が上がった。

想像よりももっと大きな歓声。
最前列で泣いている子さえいる。

そして暗がりの中、ステージにメンバーが現れた。

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