Chain〜切れない鎖〜
「…でも、一馬さん」

「…さん?」

京司の首根っこを掴み、一馬は脅すように京司を見る。
京司はまるで叱られた仔猫のように上目遣いで一馬を見た。

あれだけ横柄な京司の怯えた姿は見ものだった。




それにしても、一馬がこんな態度を取るから京司だって対等に思えないのではないか。

そんな考えが一瞬頭をよぎったが、一馬様には敢えて言わないことにしておいた。







まだまだ平等な友達なんて言えないかもしれない。
でも、確実に一馬と京司たちの溝は埋まりつつあった。

かつての友達と、より深い仲になれる。

その現実が嬉しかった。

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