Chain〜切れない鎖〜
いつものように、理解不能の授業を聞く。

あたしが出来ることと言ったら、必死で眠気と戦うことくらいだった。







そんなあたしの斜め前の華は、食い入るように黒板を写している。
さすが優等生だ。




そしてそんな華とトップを競い合うような一馬は…



ずっと机の下に隠した携帯を触っていた。






恐らく京司たちと連絡を取っているのだろう。

そう思ったが、なんでこんな奴が頭いいんだろうという怒りが込み上げ、スリッパを投げつけたい衝動に駆られた。







一馬の隣では小刻みに動く隼人。

耳にはイヤホン。
手にはiPod。

どうやら授業中まで月光に入るための特訓をしているようだった。

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