Chain〜切れない鎖〜
一馬はひっそりと仲間を思っていたんだと改めて実感した。




非行を辞めるために飛び出した街。

だけど、その街の友達までは嫌いになれなかったんだね。



本当に心優しい一馬。

無情なんて言われてたのが嘘のようだ。






「お前は来なくていい」

軽くショックを受ける。
拒否された思いだったから。

いやだと思ってシャツの裾を引っ張った。


そうしたら、

「世話が焼ける」

なんて言ってあたしの手を握ってくれた。
それだけであたしの心は満たされる。

一馬はあたしの扱い方をよく知っている。







一馬のその手が、
その髪が、
その笑顔が

…その全てが、

あたしの宝物です。


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