Chain〜切れない鎖〜
「…何がだよ」

迷惑そうに言う一馬。


一馬は分かっちゃいない。
完璧と呼ばれる人種だから。

もちろんダサいなんて言われないだろうし、ブスとも言われるはずがない。


だから、あたしの気持ちなんて分かるはずないんだ。





下を向いて首を振った。


「大丈夫」

とだけ答えた。







一馬は分かってくれない。

どんどんあたしから離れていく。


そんな漠然とした不安が襲いかかる。



一馬がいなかったら、あたしはまた暗い子に逆戻りしてしまう。
人目を気にする、いじめられっこに。

< 279 / 306 >

この作品をシェア

pagetop