Chain〜切れない鎖〜
不意に身体がふわっと浮いた。
まるで羽が生えたみたいだった。

それと同時にあたしの大好きな一馬の香りがした。





ただ、胸がドキドキする。
心臓が止まりそう。
天国に行ってしまいそう。






気付いたら、階段に立ったまま抱きしめられていた。

あたしの大好きで仕方がない一馬に。





「俺はお前を離さねぇ」

その一馬の言葉に、不安が和らいでいくようだった。





何があってもあたしを愛してくれた。

こんなちっぽけなあたしに、これ以上ないくらいの愛を与えてくれた。



そんな事実があるから…


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