Chain〜切れない鎖〜
「て…てめぇ、亮太。
芽衣に手ェ出すなって…」

「一馬がお世話頼んだんじゃん」

明らかに怒っている一馬にケロッとそう言って、亮太はわざとらしく白目を剥いた。

その顔がおかしくて、思わず吹き出した。



それでも一馬にとっては全然楽しくないらしい。

冷静な一馬らしからぬ言葉を吐く。



「もう、アイスおごってやらねぇ」

「代わりに芽衣もらうからいいもん」

「こいつ…」






一馬が亮太を捕まえようとしたが、亮太は小さい身体で机の間を器用に通り抜けて逃げた。

そんな二人の鬼ごっこを、みんなが笑いながら見ていた。

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