Chain〜切れない鎖〜
受験生の憂鬱
月日は過ぎていった。

あっという間に木々の葉が散り、寒い北風が吹きすさぶようになった。








あたしもいつまでも遊んでいるわけにはいかない。

来年からの進路を考え、必死で勉強した。

一馬や華と図書館に通い、訳の分からない問題集を大量に解いた。






勉強のことになると華は一馬に嫌というくらい突っかかり、一馬は迷惑そうに顔を歪めて図書館から出ていってしまうのだった。

受験勉強に燃える華は一馬様の恐怖にも打ち勝ってしまうようだった。





もちろんあたしがそんな二人に敵うはずはない。

あたしは一人で必死に低レベルな問題で苦戦するのだった。



それでもいいと思った。

元からポテンシャルが違うあたしは、あたしなりに頑張ればいいのだから。

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