Chain〜切れない鎖〜
この二人がいつもこうやって遊んでいるのかは謎だった。
隼人が熱中して、一馬は退屈そうに見ている。
ただそれだけだ。

あたしの住むこの高川市はそれほど都会でもない。
だから、遊び場はゲーセンくらいしかないのかもしれない。
これがもしかしたら「高校生らしい遊び」なのかもしれない。




一馬が取ってくれたうさぎは仏頂面の一馬とは正反対で、ニコニコ笑っていた。

いらないと思っていたのに嬉しく思い、あたしはふわふわのぬいぐるみを抱きしめた。


「一馬、ありがとう」

そうお礼を言った時、一馬の口元が緩んだ気がした。
それがすごく嬉しかった。

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