Chain〜切れない鎖〜
嵐のように隼人が去った後には、銅像のような一馬とあたしが残されているだけだった。
あたしたちの間を冷たい風が吹き抜ける。


今まで場の空気が持ったのは、隼人がいたから。
実際、隼人がゲームに熱中している間は沈黙の連続だった。
あたしたち二人では無理。
それをひしひしと感じた。



なんでこんな一馬が好きなんだろう。
自分でも疑問に思う。

やっぱりあたしと一馬の間には沈黙が流れ、気分は萎縮した。

でも、そんな沈黙を破ったのは、意外にも一馬だった。
< 37 / 306 >

この作品をシェア

pagetop