Chain〜切れない鎖〜
一馬が口を開く前に、一人が話し出す。

「いいこと教えてやる。
おめぇの芽衣チャンは、」

「やめて!!」

叫んでいた。
こいつらに汚されたことなんて知られたくない。
一生の汚点だ。


叫べば叫ぶほど、泣けば泣くほど、こいつらは興奮して喜ぶ。
それくらい知っていたのに。
それでも、一馬に知られたくない一心で、あたしは抵抗してしまった。




「…おめぇ、俺に刃向かう気かよ」

「ちがっ…」

「いい度胸してるな」

「ちがっ…」

「この男と一緒に気持ちいいことしてあげるよ」

「やだ!一馬を巻き込まないで!!
あたしは何でも言うこと聞きます!!」



声の限り叫んだ。
一馬がこいつらに勝てないことくらい、分かってるから。
中学校一の不良だったから。



あたしは慣れてる。
でも、一馬までいいオモチャにされるなんて。

そんなの許せない。
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