Chain〜切れない鎖〜
「こ…こいつ、一馬って言わなかった?」

子分が青ざめている。
明らかに様子がおかしい。

「一馬って…あの、桜井…」

もう一人の顔が引きつった。
まるで目の前にいる一馬が恐怖の大魔王であるかのように。

当の本人はいつものように無表情で突っ立っているだけなのに。
特に喧嘩するつもりもなく、左手をポケットに突っ込み、ダルそうに立っているだけなのに。
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