Chain〜切れない鎖〜
帰りは家まで一馬が送ってくれた。
日が沈んで暗いからなんて紳士ぶったこと言って。
無表情でぶっきらぼうだけど、いい奴なんだと改めて感じた。




街灯に照らされた夜道を二人で歩いた。
小高い丘から見える高川市の夜景は、田舎とはいえ、やっぱり綺麗だった。
こんな夜景を一馬と見れて嬉しかった。



「やぁねぇ。ラブラブカップルじゃん」

すれ違い様にそう笑われたりもした。

確かにカップルに見える。
ラブラブにも見えるのかもしれない。
でも、実際違う。
あたしはその状態をすごく望んでいるのだが。
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