Chain〜切れない鎖〜
「芽衣、かずくんの方、ずっと見てたよね?」

「え?」

急に飛んできた、綾の予想外の言葉であたしは狼狽えた。



かずくん?


あたしはそんな人、知らない。
なにしろ、男の友達なんていないから。
ずっと男の視線を避けて、隠れて生活してきたから。



かずくんは知らない。
でも、心当たりはある。



あたしの頭の中に思い浮かんだのは、あのギタリストだった。

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