Chain〜切れない鎖〜
自分を慰めるために、あたしは隣の席の一馬の点数を盗み見した。

どうせバカな一馬の点数も悪いだろう。
そうたかをくくっていた。



だが、思うようにいかないのが人生だ。

一馬の点数は、あたしの約五倍。
あたしは一人で地獄へ落ちた。



一馬を見て笑おうという計画は、ものの見事に失敗した。





「一位は桜井。二位は東條」

「えっ!!」

そして、思わず叫んでいた。

この学校の、クラスで一位なんて。
東大だって楽々入れてしまうほどだ。

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