Chain〜切れない鎖〜
それから数日後のことだった。


放課後、いつものように教室で勉強をしていた。
実力テストで桜井君に負けて、許せなかったからだ。



「東條さん」

急に呼ばれた。
私が大嫌いなあの冷酷な声で。
おまけに「東條さん」だなんて、薄気味悪い。


「俺のこと、あいつにチクったらマジで殺す」

桜井君は昔のように冷たく言い放った。


外見が変わっても、内面は昔のままであることを改めて思い知った。

身体中を鳥肌が走った。
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