Chain〜切れない鎖〜
純粋な芽衣は桜井君に利用されているんじゃないか。
だから桜井君は芽衣に優しいんじゃないか。
私はそんな恐怖に駆られていた。

だけど、楽しそうに桜井君に話しかける芽衣を見る度、今まで見たこともない顔で芽衣と話す桜井君を見る度に、私の考えが当たっているのか考えた。


今の桜井君は私の知ってる桜井君じゃない。
そんな考えが私の頭を巡った。





だけど、やっぱり耐えられなかった。
桜井君を信じることが出来なかった。
だから私は芽衣に真実を伝えた。
そして、あくまでも桜井君を信じようとする芽衣を見て、これで良かったのかと自分を責めた。
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